バトルヒーリングについて | び さん作 |
SAO内でのキリトの「俺のレベルは78、ヒットポイントは14600……さらに戦闘時回復スキルによる自動ヒールが十秒で600ポイントある」(外伝1)とリズベットの「超高レベル戦闘スキルの『バトルヒーリング』だと思われる――けれども、あれはスキルを上昇させるのに、戦闘で大ダメージを受けつづける必要があるので、現実問題として修行するのは不可能と言われている」(外伝3)をもとに考える。 まずリズベットの「超高レベル戦闘スキル」と言う事から想像するに、かなり後になってから発生するスキルと言う事が想像できる。それがレベルによって発生するのか、一つまたは複数のスキル熟練度がかなり高くなってから発生するのか、あるいはその両方の条件が必要なのかは考える余地を残している。ただ、言える事はシリカと一緒に居たとき既にLv78に達していたと言う事はそれ以下のレベルで発生するスキルであると言う事だ。また、レベル60代後半のリズベットが「超高レベル戦闘スキル」と言っている事からもしかしたらレベル以外、例えばHP量や他のスキル熟練度――「超高レベル戦闘スキル」とある事から恐らく戦闘に関係するスキル――の比重が大きい条件になっているのではないだろうか。 次にバトルヒーリングの効果について考察する。 バトルヒーリングはスキルであり、修行により熟練度を上げる事が出来る物である事はキリトとリズベットの言葉から容易に想像できる。ならば上昇により得られる効果とは如何様なものだろうか。 まず知られている効果として自動ヒールがある。キリトの言葉によれば「十秒で600ポイント」であり、その時点のキリトのHPの約4%、どんなにHPが減っていても最大四分で全快するレベルである。ここで考えられる熟練度によって上昇するポイントは回復する速度と回復量の二つである。そのうち回復量についてはHPの全体量の%で回復する方法と絶対値で回復する方法の二つが考えられるがキリトのセリフを信じるなら絶対値で上昇するのだろう。となると、回復量については確実に熟練度によって上昇するのだろう。何故ならばそれが上昇しないとレベル上昇によって上昇するHPによってバトルヒーリングのHP総量に対する回復の割合が下がってしまうからだ。 では回復速度と回復量のほかに得られる能力はあるだろうか。私はそのヒントがリズベットの「戦闘で大ダメージを受けつづける必要がある」にあると思っている。スキルは「スキル熟練度は使用する度に気が遠くなるほどの遅々とした速度で上昇してゆき、最終的に熟練度1000に達したところで完全習得となる」とあるように、使用する度に上昇するものとして描かれている。つまり、大ダメージを受けないと自動ヒールが発動しない、または発動しない時期があると読み取れるのだ。 そこで考えられるバトルヒーリングの熟練度上昇によって得られる能力として、自動ヒールの発動する条件のダメージ量の減少が挙げられる。つまり例えるならHPが半分の時発動していた自動ヒールが熟練度の上昇によってHPが三分の二の時に発動するようになった、と言うものである。 ここでバトルヒーリングによって得られる能力は可能性として回復量、回復スピード、スキル発動条件のダメージ量の三つを挙げた。しかしまだ疑問はある。何処にいても自動ヒールが発生するのかということだ。 例えば敵の発生が無く、プレイヤー間同士に対してもシステム的に保護がある圏内においても自動ヒールは発動しつづけるのか、それともフィールド上においてのみ発動するのか、あるいは「戦闘時回復スキル」の名の通り、敵にターゲットされている時にのみ発動するスキルなのか、と言う事だ。これに対する答えは残念ながら情報不足で考える事すら出来ない。ただ、SAO1においてハイポーションを使用する描写で残り数ドットのHPが5分で全快と出ている。つまりレベルに20もの差があるので正確には計れないがバトルヒーリングの回復速度はハイポーションとほぼ同じ速度と言える事から、もしかしたら回復アイテムを使用する暇の無い敵にターゲットされている時にのみ発動するスキルなのかも知れない。 次にスキルの熟練度の上昇の方法について考察する。 「スキルを上昇させるのに、戦闘で大ダメージを受けつづける必要がある」から戦闘中の大ダメージによって熟練度が上昇する事が分かる。では大ダメージとは具体的には何だろうか。 まず上記、「バトルヒーリングの効果について」により著述した、HPがある程度減っている状態を大ダメージとして考えて見よう。単純にこの「HPがある程度減っている状態」が熟練度が上昇する条件と仮定した場合、致命的な齟齬が発生する。HPが減っている事だけが熟練度が上昇する条件だとするならば敵の一撃の被ダメージ量はどんなに低くても良い事になってしまう。つまり、低い階層に下りて、例えば一層のゴブリンに延々と攻撃をさせつづければ相当な度胸は必要だと思われるが簡単に熟練度を上げる事が出来てしまうのだ。これでは「現実問題として修行するのは不可能と言われている」という記述と食い違ってしまう。 ならば他に大ダメージに合う条件があるのか考えて見よう。 例えばバトルヒーリングに規定された大ダメージとされる条件があると仮定して見よう。 ここで可能性として挙げられるのは「一撃が規定値以上のダメージ」、「一撃がHPのある割合を越えたダメージ」、「被ダメージが高い部位に攻撃を受けた場合」、「クリティカルヒットを受けた場合」、「強攻撃を受けた場合」などである。 この中で可能性が低いのは「一撃が規定値以上のダメージ」、「被ダメージが高い部位に攻撃を受けた場合」、「強攻撃を受けた場合」の三つだろう。「一撃が規定値以上のダメージ」はレベルが十分に高くなれば十分に耐えられるだろうし、「被ダメージが高い部位に攻撃を受けた場合」、「強攻撃を受けた場合」の二つは実際に外伝1でキリトが犯罪者プレイヤーに受けているがそれほど大ダメージは受けていない事から、この三つはやはり「現実問題として修行するのは不可能と言われている」という記述と食い違ってしまうのだ。 となると、残りの二つ、「一撃がHPのある割合を越えたダメージ」、「クリティカルヒットを受けた場合」が条件として残るわけだがこのうち「クリティカルヒットを受けた場合」については外伝1でシリカが出した描写しかなく、クリティカルヒットがどのようなものなのか、例えば防御力無視ダメージなのか、あるいは通常の数倍ダメージなのかが記述されていないのでこれ以上掘り進めて考える事が出来ない。しかし恐らくクリティカルヒットというものはそんなに頻繁に発生するものではないと思われるので意図的な修行は出来ないであろう事からかろうじて可能性は残るだろう。 では「一撃がHPのある割合を越えたダメージ」はどうか、例えば一撃でHPの半分を割り込むといったダメージが条件なら「現実問題として修行するのは不可能と言われている」と食い違わないのではないだろうか。なにせ「バーが半分を割りこんでイエロー表示になった時点で、惨めに逃走するか、あるいは貴重な瞬間転移アイテムを使用してでも戦闘から離脱するのが常識」のSAOではたった数回攻撃を受ければ死んでしまうような攻撃は忌諱すべき事であろう事は想像に難くないからだ。だが、これにも問題は残る。それはキリトのレベルだ。外伝1で「仮にこのSAOが通常のRPGだった場合、適正レベルは各層の数字と同じというわかりやすい設定なのだが、異常なデスゲームとなってしまった現在、安全マージンを考えるとおよそ10の上積みが必要となる。」と書いてあるように本来適正レベルは各層の数字と同じであるところ、キリトのレベルは最前線が58層の時LV78(外伝1)、最前線が74層のときLV90以上(外伝2)と、最前線の安全マージンを取ったレベルをも10も上回る水準を維持しつづけているのだ。これでキリトが熟練度を稼げる敵と言うのはいるのだろうか、という疑問が残る。 ならば一撃とは言わずに数回の攻撃の合計でHPのある割合を越えたダメージになるというのはどうだろう。SAOにはソードスキルに規定された連続技というものがある。これが「一つの攻撃」とされていればレベル過剰のキリトであっても「大ダメージ」を受けられるのではないだろうか。 ここまでの論をもとに仮定するならばバトルヒーリングと言う物は「LV78以下で発生する、HP量や他のスキル熟練度などのLV以外の比重が大きい発生条件になっているスキルで、熟練度の上昇で回復量、回復スピード、スキル発動条件のダメージ量の三つが上がる可能性があり、戦闘時、つまりターゲットし合っている時にのみ発動し、熟練度を上げる為には連続技を含む敵の攻撃でHPの割合の何割かのダメージを受けてからの自動ヒール発動が条件となっている」ものであると言える。 しかしこれは私が勝手に論述したものであり、もしかしたら発生条件はレベルそのものであるかもしれないし、初期の熟練度からスキル発動条件のダメージ量が無いかもしれないし、熟練度上昇にはダメージ量そのものが使われていて自動ヒールの発生そのものは熟練度上昇には関係無いのかもしれない。つまり、これが真実とは限らない事を記述しておく。 アインクラッド一覧表 1 始まりの街、開始一ヶ月後にボス攻略 2 一層攻略から十日でボス攻略 8 フリーベン市、シリカのホームタウン 22 森と湖、アスナとキリトの家 25 攻略時多大な被害、軍弱体化 35 北部に迷いの森、一年半でピナ死亡 39 元KoB本部 47 フローリア、フラワーガーデン、南に思い出の丘、蟻んこが沢山 48 リンダース、リズベットの店 49 『ラフィンコフィン』赤眼のザザと戦う。 50 アルゲート、猥雑な街、最大級の街、ボス攻略時ヒースクリフが単独防御 55 グランザム、KoB本拠地、鉄の町、フィールドは乾いた荒野 58 シリカの冒険時、開始一年半の時の最前線、氷雪地帯、氷の竜 61 セムルブルク市、綺麗な城砦都市、一面 湖、むしむしランド 65〜66 古城迷宮、ホラーフロア 67 ボス攻略で死人が出た、常闇の国、ロンバール 74 開始二年の時の最前線、森がある 75 コリニア、古代ローマ風、ラスト |