英雄の不在1 紅い男 | カラス さん作 |
SAO IF 英雄の不在1 紅い男 ギィィィン 「くっ・・・強い・・・」 予想外だ、これほど強いオレンジプレイヤーがいるなんて思わなかった オレンジプレイヤーといえば弱い者虐めしかできない下劣な連中ではなかったのか? だが目の前にいる男の実力は明らかにTOP剣士のそれだ 「ふん・・・可愛い顔してなかなかやるじゃねぇか嬢ちゃん、だがお遊びはここまでにしとかねぇとな」 男はそう言うと不気味な紅いエフェクトを纏い始める さらにはオレンジだったはずのネームカラーまでもが紅く染まる 「馬鹿・・・な・・・・・・レッドネーム・・・だと? そんなものあるはずが・・・」 「あるもんはしょーがねーだろーよ、それともなんだ、自分の目が信じられないとでも言うのかい?」 「くっ、そんなこけおどしが通じるもんかっ!」 ヒュンヒュンヒュン 私の剣がむなしく空を切る 男はまるで楽しむかのような目で私の斬撃を避け続ける 「これならどうだっ!」 牽制の四連撃キャンセルから必殺の六連撃へと続ける、私の必殺のコンビネーション 狙いたがわず私の剣が男の肩を切り裂く ズシャッ 「はっ、悪くねぇ腕だが俺をしとめるにはまだあめぇな!」 男はさしたる動揺も見せず、余裕の笑みを浮かべたままである 「次は俺の番だ、いくぜっ!」 ギィィィン 両手剣による上段からの重い一撃 あまりの重さに受けきれずに肩を薄く切り裂かれる その瞬間信じられないことがおきた 私のHPゲージが減ると同時に先ほど減らした男のHPゲージが回復したのだ <<ライフ・ドレイン>> 「なっ、一体何が?」 「暗黒剣って知ってるか?」 「まさか、あの男の言っていた」 「そーゆーこった、神様(茅場)も味なまねしてくれるじゃねぇか、なかなか面白いスキルだぜこいつは」 「ふざけるなっ! 私達の力・・・ソードアートは私達がこの世界から脱出するためにあるものなんだ、お前みたいなクズ野郎が私利私欲で使っていいものなはずがないっ!!」 「んなこといったって現実にこいつは俺を選んだんだぜ、文句なら神様にでも言うんだな、俺達の上に君臨するあの男(茅場)によ」 男の攻撃は容赦なく私のHPを削り、私があの男に与えたダメージは瞬く間に回復されてしまう 「どーした? そんなんじゃ俺を倒すどころか傷一つ付けらんねぇぜ」 「だまれ、この下種野郎がっ!!」 ギィンギィン 「だいたいよぉ、片手剣なんて使ってるくせに盾ももたねぇってのはどういうことだ? そんなかっこつけ根性で俺が殺れるわけねぇだろうがよ!」 「うるさいっ!」 私のHPゲージがイエローに入る、このままでは本当にやられてしまう・・・ 「嬢ちゃんももーちっとすりゃー俺好みのいい女になりそうなんだが・・・まぁ余裕こける相手でもねぇしな、そろそろ決めさせて貰うぜ」 男が剣を大きく振るい、私は弾き飛ばされる 無理やりブレイクポイントを作った形だ 「いくぜっ!」 男の禍々しい紅いエフェクトがさらに濃さを増す 男は剣を上段に振り上げると紅いエフェクトが天に昇るように見える <<ブラド・グレイヴァー>> 男が剣を振り下ろすと、紅いエフェクトが地を奔り牙となって私を襲う ズガンッ その瞬間“二つ”の光が交錯した・・・ 〜続く〜 |