-背負う物-Bridget さん作





Sword Art Online If
-背負う物-

攻略組が95階層を突破したあの日…
彼がアインクラッド住民を敵にした日…
ヒースクリフが…いや、茅場 晶彦が
自らを神であると名乗った日…
僕には耐えられない程の責任が押し寄せて来た…

『…最上階<紅玉宮>の王の間にて、諸君らを待つ』
アインクラッド全土が絶望しただろう
攻略組のリーダーと言っても過言ではないヒースクリフの謀反に
誰もが嘘だと願っただろう
共に闘ってきたあの人が、茅場だと言う真実を

『私が所持していた<神聖剣>、そのスキルはアインクラッドの「誰か」に継承させた』
その言葉を聴き、誰もが自分のウィンドウを開き、スキルを確認している
―自分ではありませんように
攻略組でもない自分にユニークスキルが継承されるはずも無い
―自分ではありませんように
そう思っていたが…
<神聖剣>
―自分…

その瞬間僕は自身の血の気が引く感覚を覚えた
―僕が…ユニークスキルを?
街はまたいつもと変わらぬ賑やかさを取り戻している
―第二のヒースクリフに…英雄になれと…?
僕は誰とも話すことなくねぐらとしている宿へ戻った
―僕にできるのか?
何かをする気分になれなかった
―アインクラッド4万人の命を背負い闘う
メッセージも何件か飛んできたが見ることすらしなかった
―僕が!?


-背負う物-  完





-あとがき-
神聖剣スキルそのもののソードアートや機能については触れません
今回のテーマは
ヒースクリフが積み立ててきた伝説を、期待を、責任を
背負うこととなった瞬間の、一人の人間の描写ですね

その後、彼が希望を背負い闘う道を選ぶか
背負う物に負け、自ら命を絶つ道を選ぶか

それはみなさんが想像してください
自分だったら…そう想像してみてください

自分(Bridget)だったら…
自害する事はしませんね
出来る事をやり抜いて、その結果を受け入れるかなぁ…



なんかダークな作品になってしまってすいません(´・ω・`)