食の魔術師ノラ さん作





「食の魔術師」


「俺、甲羅兎のシチューとレッタ草のサラダね」
「じゃあ私は、シェフのドキドキお任せランチで」
午後三時、お昼の時間も去ってそろそろ休憩でもしようかと思った時に入ってきた客に、俺は内心毒づいた。

此処はアインクラッド43階、この世界でもっとも舌の肥えたものが集う食の都だ。
それと言うのにも理由がある。このフロアには広大な小麦畑と数々の食材が手に入る森、そして現実世界の牛と良く似た味のするモンスターが、此処は牧場かと言いたくなるほど大量にいるのだ。
そして、俺もそんな食の都に魅入られてこの場所に店を構えるコックの一人だ。
このソードアート・オンラインでは料理と言うスキルがある。
戦闘にはマッタクと言っていいほど役に立たず、かといって鍛冶スキルのように武器防具を作れるわけでもない。
だが俺はこのスキルに魅入られた、俺だけじゃないかなりの人間がこのスキルをそこそこ上げているはずだ。
この世界では娯楽といえる物が少なすぎるのだ。だから楽しみは食べるとか寝るとか、その方向に行ってしまいやすい。俺もそんな一人な訳だが。
最初は違ったんだ、真面目にレベル上げをしてそこそこのレベルになって、一度は攻略班としてボスと戦った事だってある。
だけどその時の仲間が作ってくれた料理が、それはもうほっぺたが落ちるかと思うほどうまかったのだ!
こんがりかりっと良く焼けたパンにトロトロのビーフシチュー、付け合せはホクホクのジャガイモ!あぁ思い出しただけでもヨダレが・・・
おっと話がそれた、まぁそんな訳で俺は食の道を極めんがため店までもってしまったわけだ。
「あぁミノサンのステーキも追加ね」
追加注文を聞き、俺は洗い物をする手を止めると食材を出そうとして気がついた。
「すいませんお客さん、ミノサンの肉は丁度切れてまして。タンドーリなら直ぐ作れますが」
「そっか、じゃあそれで」
客の注文を聞くと、俺は良く熱したフライパンにタンドーリの肉を放り込んだ。味付けはシンプルに塩コショウだけ、このタンドーリの肉はそのままでも香辛料にタップリ漬け込んだような味がするのだ。
ジュウジュウと焼ける音とともに、良い香りが店の中に広がっていく。
「それでサ、この間牧場にいったんだけどさ」
聞くつもりもないが、客の話が聞こえてくる。牧場と言うのはミノサンが大量にいる草原の事で、本当は別の名前があるらしいが皆牧場としか呼んでいない。
「そこで酷い目にあったんだよ。いつもの様にミノサン狩ってると後ろから凄い鳴声が聞こえてきて、こりゃヤバそうだと思って後ろを振り返ったら、普通の3倍くらいの金色のミノサンが凄い形相でにらんでてさ」
ん?金色?
「お客さん、マジで金色?」
「金色も金色ぴっかぴか、死ぬかと思って必死で逃げ帰ったよ。」
金色のミノサン…聞いた事がある。じーさんのNPCが草原のヌシの話をしてたな、金色のミノサンの肉には一口食べればうまさのあまり死人も生き返るとか何とか。
その話を聞いた当時は必死でこのフロア中を探したもんだ。そんな事考えてるじゃないな、食べ物に関してライバルは多いのだ。その幻のS級食材俺がいただくぜ!
「お代はいらない、むしろ情報料代わりだ。ちょっと出かけてくる!」
俺は良く焼けたタンドーリをその客の前に出すと店を飛び出した。

牧場に籠もって三日、奴はついに俺の前に姿を現した。
ミノサンは牛と良く似た姿をしており武器の材料にもなる大きな角を持ったモンスターだ。
普通大きさも牛よりちょっと大きいかなと言う程度なのだが、さすがヌシと呼ばれるだけはある、その巨体はもちろん角も他のミノサンに比べて一回りは大きいんじゃないだろうか。
何よりピカピカだ・・・今まで良く見つからなかったな・・・・
「さて、どう料理したもんか」
草むらの影で俺はつぶやくと、愛用の包丁を取り出しじっと金色のミノサンを見つめた。
エクストラスキル 料理人〈食材鑑定〉
「ふむ、弱点は眉間、首の後ろ、足の3箇所か・・・」
ミノサンに気がつかれないように素早く近づくと、その首めがけて包丁を突き刺した。
だがさすがにヌシと呼ばれるだけはあり、弱点を突いた不意打ちでも1撃では1割ほどしかHPを削れなかった。
「チッ弱点でコレだけかよ、こりゃ時間かかりそうだな・・・」
そんなことを考えてる間にミノサンが突進してくる、あんな角で突かれたらひとたまりも無い、ミノサンの攻撃を紙一重の所で避けると反撃に出ることにした。
〈千切り〉
くらったミノサンのHPがガクッと削れる、その攻撃が逆鱗に触れたのかミノサンが猛烈な勢いで暴れだした。
俺は死角から飛んできた尻尾の一撃を避けられずにバランスを崩した。その隙を見逃さず追撃がやってくる、避けられない!そう思ったときには俺の体は宙を舞っていた。
「うぐっ」
俺の体が落ちるとともに、HPのバーが一気に減少する。3割ほどもっていかれた、コレでも安全マージンは20以上取っていると言うのにだ。
即座に体勢を立て直し、回復結晶を使うHPバーが最大まで戻るのを確認すると、脚を狙ってのヒット&アウェイ作戦でミノサンのHPを削ることにした。
せこいが確実にミノサンのHPを削っていく、すでにイエローを超えレッドゾーンだ。
俺はそろそろミノサンに止めを刺すことにし、懐から愛用の包丁セットを取り出した。
〈解体〉
次々に包丁を変えミノサンを切り裂いていく。HPバーに残っていた数ドットがあっという間になくなったかと思うと、ミノサンの体はデータの藻屑と化す。ポリゴンの欠片が消失するのを確認すると俺は大きく息を吐いた。
このまま倒れこみたい気分だったが、メニューウインドウを操作するとアイテム画面に切り替え、たった今手に入れたばかりのレア食材を確認するとほくそえんだ。
「あぁ、あったあった、コレだけが楽しみなんだよな♪」
早速店に帰って料理することにする。いや、師匠の所に持って行くのも良いかも知れない、俺に料理と言う魔法を教えてくれた、あの栗色の髪の女の子の所に。



あとがきと言うか後悔
誰か自分にネーミングセンスを下さい!後文才も・・・orz
ミノサンって何だヨ!スキルも良い名前が思い浮かばないヨ!料理人ってスキルって言うかジョブじゃん!
・・・だって料理術じゃおかしいし・・・わかりやすく・・・orz
料理人の話書こうと思ったら、料理が美味しそうに表現できません、戦闘シーンも難しすぎです・・・見事に散りました。カッコヨク書ける皆様が凄い・・・ほんとに文才わけてくr
43階を食の都にしたりとか、いろいろ勝手なことをしてますがパラレルと言うことで勘弁してください。グダグダなのも勘弁してください(ノД`。)

主人公  現在Lv67。攻略班として活動していたが、料理に魅入られドロップアウト。
 その後アインクラッド中を回り食材探しをしていたが、食材の集まりやすい43階を本拠地に。
金ミノ  ゲームをやっていて、なんでこんなしょぼい所にこんな強いのがw的な中ボス。ミノサンミノサン書いてたら、みのもんたしか思い浮かびませんどうしよう。
 実はレア食材の名前はミノヌシの肉・・・流石に微妙すぎて書かなかったけど、ここで暴露してるから意味無し・・・きっとこの階を作った人はネーミングセンスがゼロだったんだヨヽ(`Д´)ノ

妄想スキル解説
料理人  料理スキルの他にもいくつかのマイナースキルをか上げてると出てくるらしいが、必要スキルがあまりに微妙すぎて持ってる人がさっぱりいないスキル。料理と言うか材料の調達的なスキルが多い。
食材鑑定 食材に対して使うと鮮度やどの料理法に適しているのかなどがわかる。インパス?敵に対してはライブラ的効果、一部種族にしか効かない(動物、魚、鳥など)敵のレベルが使用者のレベルを超えてると使えない。
千切り  千切りと言っても千回切るのは無理ですね。高速の連続攻撃、手がぶれたように見えるほど早いらしい。
解体   モンスターに1匹対して1回しか使えない。瀕死状態の時に限り使用可能、成功すると確実に食材アイテムが手に入る。コレも一部種族のみ

いろいろおかしい所もありますが、そこは文章初心者って事でお許しくださいむしろド素人。作文とか書くの苦手な子だったんでs(´・ω・`)
最後に、ここまで読んで下さった方ありがとうございました!大感謝!あなたは仏様か!