サンバン。ロロ さん作





ニバンの最後に「そしてあどがき」と書き出して書き忘れたお茶目なロロです。ヴァー('A`;
ちょ、ヒースクリフセリフむず…。
なるべく、なっるっべっくイメージを崩さないようがんばっています。
皆さん彼ってどんな人なの…(苦笑
サンバンはながいかなー?戦闘シーンが長いかも?ウダウダカモ
あ、この前書きこそうだうd(略


SAOif

サンバン。

1.

「君がイチさんかな?」
その男は言った。
「違うって言ったら?」
話しかけられた男、イチはおどけた様に返事をする。
「う〜ん、無理やりでも良いからスカウトしてくれって言われてるんだよね」
大げさに困った、というものを体で表す男。
「穏便に行きたいんだけど、一戦交えなきゃ駄目?」

75階の攻略が始まったのは10月の中ごろだった。
25階、50階と25階毎に大きな壁に当たっていることから、今回も相当辛いのではないか。
そんな記事が連日のように新聞ではトップを飾る。
そのころからどの階の転移門にも人間が張り付くようになっていた。
有望なうわさを持つ人物をかたっぱしからスカウトしているらしい。

今現在、俺の前にいる男もそれに当たるのだと思われる。
俺に有望な噂や二つ名などないはずなのだが。

「いや、遠慮するね。攻略組とガチで勝てる自信は無いよ」
あら、と男は少し残念そうにいう
「その衣装、血盟騎士団の人でしょ?俺、ヒースクリフには興味あるんだよ」
「ぉ、良いね君。良い心がけ」
「でもさ」
いいかけて俺は腰に手を当てる。
構えは居合いだ。
「血盟騎士団にははいりたくないかな?」
「あらま」
男は少し面白そうに両手を胸の前で交差させた。
あの構えは…?

『デュエル!!』


男の力量は、イチのそれに引けをとらなかった。
勝るとも劣らない、驚異的なアジリティ。

初撃決着という簡単なデュエルのはずなのだが、戦いは20分以上続いていた。

「その短剣一体何本あるんだ…」
戦闘区域とかした第4階層主街区ブレインベルズ。
その街の転移門の周囲にはすでに50本近い短剣が投げ出されていた。
「まだ半分も投げてないですよ?」
にやっと笑う男は再び胸の前で腕を交差させる。
ジャッ、っと左右の手にナイフが実体化する。
数は2本ではなく8本。
両手の指と指の全ての間に握られている。
「いきますよぉ!」
<<ソードクロウ>>
SEとともに男の頭上に厄介な表示が現れる。
それと同時に8本のナイフそれぞれに光がともった。
ソードアートである。
驚異的なアジリティがうみだすアシストなしの突進から左右一回づつのクロー攻撃。
イチもまた、STRではなくAGIを特化した剣士で。
突進攻撃くらいはなんなくと交わしてみせる。
<<ソードクロウ>>
その文字は何度も何度も繰り返し表示され、まるで狩りのような一方的な戦闘であった。
あぶなげなく回避を繰り返し動き回るイチの姿はまさに踊っているとしかいい用が無かった。
「刀、抜かないんですかぁ?」
男はにやにや笑みを浮かべ確実にイチを壁際に追い詰める。
猫がねずみに手を出す光景、たとえるならばまさにそれか。
…イチは抜かないのではなく、抜刀に入れない。
頭の中で刀を抜くというイメージは直結して<<居合い>>を発動させてしまう。
待機状態になってから相手より先にイチが踏み出せれば一気に抜刀は可能だ。
しかし、相手の攻撃のほうがはやければ自動反撃を行ってしまう。
高速カウンターが可能な居合いだが、イチにはカウンターを確実に叩き込む自信が無かった。
初段絶対回避をもつ居合いでこそあるが、2段目には絶対ではない。
むしろその2段目こそがこの男の狙いなのであろう。
他種の武器のもつ特性までも知っているとなると、よほど綿密に準備をしてきたのだろう。
「そろそろ限界ですかぁ?」
イチは一気に後方へと飛びのき、間合いを作り一気に刀を抜ききろうとする。
男はそれを許さない。
8本のナイフが投げ出される。
<<エイルスローダガー>>
と表示されるその技はソードクロウからの連携スキル。
ナイフは使い捨てとなるのだが、その威力は非常に危険だ。
投擲系スキルではナイフ1本1本の質を上げることで恐ろしいほどの殺傷力を生むためだ。
男が使っているナイフは独特の形から<ポイズンナイフ>だと見て取れる。
質で言えば中の下、高階層の街ならばどこでも手に入る代物だ。
初段決着というルールにおいてわざわざ上物は使わない。
たとえ上物でないとしても、一度投げたアイテムは絶対消滅なので多用は利口ではない。
はずなのだが、男はたかだかデュエルでこのスキルをすでに6回、これで7回目になる。
「っちぃ!」
カタナに手を添えるところまで行ったがあわてて左に飛びのく。
もうすこし力が入っていたら…居合い待機になり、ナイフの群れに飛び込むところであった。
イチは考えただけでもぞっとする。
「おまえ!きったないぞぉ!」
間をおいたところでイチはプンプンとブーイングを起こす。
その間に男はナイフを装備しなおしていた。
「いったでしょ?無理やりにでもつれてきてほしいって言われてるんですよ。それも団長直々に」
「こえかけるなら、もう少しましな人材がいるだろ!」
ブツブツと文句を言いながらも、イチはカタナの鞘を巻き帯から抜く。
相当頭に血が上っている様子だった。
周りにはいつの間にか大勢の人間が集まって、二人のダンスのような戦いを興味津々に観戦する。
「あれだ、ギャラリーが増えてきたし、本気出す」
抜刀ができない以上、選択肢は限られた。
バトルモードにおいて装備のチェンジは高等なプレイヤースキルを要する。
そんなことは当然イチにはできない。
「装備破棄!『黒塗りの鞘』!」
イチのその宣言に呼応し、巻き帯から鞘が無くなった。
派手なアクションで瞬時に刀を握る。
その男の目はまるで獣のように飢えていた。
「最初からそうしてくださいよぉ」
男は尚もニヤニヤと笑う。
まるでこの戦いを楽しんでいるようだ。
<<袈裟切り>><<ソードクロウ>>
ヴンヴン!2つのSEとともふたりの剣士が衝突する。
零距離インファイトになると今度はイチが攻勢になった。
<<ツバメ返し>><<袈裟切り>><<切り替えし>>
武器の重さを極端に減らし、威力すらも捨てた超高速の連携はイチがもっとも得意とする戦い方であった。
(…むぅ。思っていた以上早い。そして重い…!)
短剣の男は防御系のソードアートをさっぱり使わない。
一見ギリギリに攻撃をはじいていく行動はその場しのぎに見えてしまう。
しかしこれがこの状況では有効な防御法だった。
ソードアートというものは、確かにアシスト効果もあって強烈だ。
モンスター相手ならまだしも、心を持った人間に対しては話は別だ。
しょせんはシステムで定められた行動しかとれなくなるのだ。
構え、振り、斬り、打突点。
技によって全てが決まっている。
いくらイチの連携攻撃が早かろうと、たった3つのソードアートを順序良く繰り返すというのは逆に予測は簡単なのだ。
システム制限され絶対にそこしか狙えないというのは、そこさえ守れば他に神経を回す必要は無い。
もっとも、当然のようにそんな何千種類あるかすらも分からない攻撃方法に完璧に対応できるような短剣防御はない。
「あの男」のような、そんな存在でなければシステムアシストでこの斬撃は防ぎきれないのだ。
だから男のとった行動は「普通の防御」だった。
イチの一つ一つの技を正確に見切り、あせりながらも、しかし確実に払いとめる。
(…もう読んだのか!こいつ、強い!)
打つほうも打たれているほうも、一瞬の気の乱れで終わる戦いだ。
イチが乱せばラッシュは止まり、その間に刺されるであろう。
男が乱せばラッシュは防ぎきれず直撃を蒙る。
どちらも気力の攻防戦だった。
が、そのときがくるのはすぐであった。

ざっ


相手の連携が一瞬崩れる。
ソードアートの発動に失敗した!
俺の勝ちだ!
俺の読みどおり奴の剣先から青い光が消え奴は大きく振りかぶった。
ただの正面切り、これは…交わせる!

──勝負とは一瞬だ。

どうやら気が緩んだのは俺だったようだ。
どごん!
爆音のようなSE。
負け…た?


わー!という歓声とともに、
WIN!
簡素な勝利者を示す文字がでたのはイチだった。
イチが現在習得している中でも最も最上位の刀技、武御雷。
攻撃行動自体にアシストはなく、重要なのは残像分身
発動条件が高く、かなりのAGIが無ければ発動させることすら間々ならない。
ブンブンッと血ぶり(のまね)をしてそのままイチは刀を納刀しようとする。
そのイチは、勝利したというのにあまりうれしそうでは顔ではなかった。
鞘が無く大衆の前で恥をかいたからでは、ない。


「さすが団長じきじきにいうだけのことがありますね…」
男は方ひざを突いていた。
どうやら相当こたえた様らしく、HPバーも2割近く減っている。
「どうかしましたぁ?浮かない顔は皺増えるだけですよ」
敗者のはずの男だが、口は饒舌だ。
自分のキャラをも崩さない。
「…いぁ、ちょっとな。すまない、まさかそんなにダメージになるとは思わなかったんだ」
イチは男に手を差し出す。
男はニヤニヤと笑いながらその手につかまって立ち上がった。
「変わった人だなぁ。ま、負けは負けですかね、今日のところは」
いてて、と声を上げながら服を払った。
「あ、また来ますよぉ。僕の名前はアシルゼン、覚えといてくださいよね〜」
そのままアシルゼンは大衆のギャラリーを押し退け去って行ってしまった。
どうやらスカウトを丁重お断りできたようだった。


大勢のギャラリーの中に取り残されてしまった。
正直、自分が嫌になった。
もう誰も目の前で死なせはしないと、傷つけさせやしないと。
そのために選び歩んだ「孤独なビーターイチ」という男だったはずなのに。
血盟騎士団の力を図ると言う目的で、最終的には負けるつもりでデュエルをたたきつけたはずなのに…!
…焦りと一時的なイライラから人を傷つけるという結末に終わった。
それだけならまだしも、自分はあのぎりぎりの戦いを「愉しんでいた」。
壁に八つ当たりをしても収まるとは思えない憤りが、自分の中に沸いている。
俺の敵は誰か?
モンスター?
クライン?
アシルゼン?
ヒースクリフ?
どれも違うはずだ。
俺たち剣士の目指すのは100階の最後のボス。
だけど…
(…今、イチバンころしたいのは…俺自身…!)

俺は今、どんな顔をしているのだろう。


秋も深まり、綺麗な夕焼けがイチと大勢のギャラリーを赤く染めていた。




「団長、アシルゼン只今戻りました」
アインクラッド55階、グランザム。
血盟騎士団の本拠地である。
アシルゼンは真っ直ぐに本部に帰ってきていた。
団長、名をヒースクリフ。
「ご苦労だった、アシルゼン君。…おや?一人だけかな?」
別段驚いた様子も無くさも「当たり前」という顔でアシルゼンに問う。
「…申し訳ありません。交渉は決裂し、デュエルに勝ったら、ということで勝負をしたのですが…」
「それは興味深いな」
特に叱責することも無く、ヒースクリフは笑みすら浮かべる。
「噂どおりか?」
「少なくとも自分と同等かそれ以上の強さはあると思います。その、どうしてもデュエルだと…」
アシルゼンが言いたいのはこうだ。
デュエルでは命中精度の高い高価なナイフを使いたくない、ということだった。
「わかっているよ。戦力は常にギリギリだ。無駄な消耗は得策ではないさ」
「見苦しい良いわけで申し訳ありません」
ふかぶか頭を下げるアシルゼンに、
「何、かまわない。機会があればまたいってくれると助かるな。今は動かせる駒に限りがある…」
「心得ています。明日、もう一度」
「よろしく頼む、アシルゼン君」

2へ

あとがき

いよいよ神光臨までこぎつけ(すっとばしまくr)ましたぁ。
2か3で光臨できるかなぁ…不安だ(笑


**トンデモスキル解説**

短剣通常斬(?)系
     <<ソードクロウ>>
・イメージは…バルログ?(ぇ
突撃系ではなくあくまで斬り。
ニンジャがイッパイクナイを握るのと同じ要領で、一度にナイフをたくさん装備して切ります。
右左のワンツーパクロウの2段HIT型。
1段HITで4HITなんて卑怯な設定ではなくそれで1HIT。
もともと短剣といえばATKしょぼいがお決まりなので1HITで通常ダメージの2倍のダメージ。
短剣1本毎ATK50%の計算式で、装備数が足りなくてもできます、きっと。
短剣使いでSTRマッチョはいないとおもうので2倍ダメージでも大して強くない、むしろそれが大剣通常攻撃の攻撃力。

あ、八刀流じゃん。
装備状態は<<短剣*○>>ていうかんじ。
左手には籠手をはめると良い感じでニンジャになれます。
やってみたいでs(略

<<手裏剣>>スキルの複線1

短剣投擲系<<エイルスローダガー>>
・イメージはニンジャのあれ。投げちゃう奴。
実は連携でもなんでもない、投げちゃうだけ。
すばやい攻撃を回避された後追撃につかうとかっちょいい技です。
使ったアイテムは回収不能。
ナイフ1本あたり1HITカウントで、
<<セブルスローダガー>>
7本まで投げられます
<<シクルスローダガー>>
6本まで
<<フィルスローダガー>>
5ほ
<<フォルスローダガー>>

<<トリプルスローダガー>>
.
<<ダブルスローダガー>>
<<スローダガー>>
の工程をふんで出現。

手裏剣複線2
「何奴でゴザル!」っていうとカットイン効果がで… ません。

以上